安藤記
~私、こんなところで死んではいられない~
いま私は震える手でこのブログを書いています。
たかだか大阪まで行くのに安さに目がくらみ、飛行機という軽率な選択をしたことが非常に悔やまれます。
そもそも人間が空を飛ぶという、人智を超えた浅はかな愚行は悲劇しか生まないのです。絶対に事故が起こるに決まっています。
そうなると皆さんや風間君、白川君とお会いすることはもうないでしょう。
今までありがとうございました。
なんやかんや幸せな人生でした。adius
そもそも航空会社の名前が「ピーチエア」というのも私の不安を募らせるばかりです。まったくもって理解できません。
本来絶対安全であるべき航空事業に、「ピーチ」とかいうふざけた名前で参入するとは、どういう神経をしているのでしょうか。
「ピーチ」なんていう名前を付けたがる企業なんて、飲食業界と風俗産業くらいのものでしょう。
機内もどこか薄暗く、私には何かやましいことを隠しているようにしか見えません。もはやハイジャックを企てるテロリストグループとグルなのではないでしょうか。
そういえばCAの顔つきを見ても、どこか巨大な陰謀を笑顔の下に併せ持っているようにもうかがえます。
やはりこの便に乗ってしまったのが運の尽きなのでしょうか…
また、今の私の状態は、生命の全てをパイロットに委ねたも同然だということを忘れてはいけません。
もしパイロットが過激な社会主義思想の持ち主で、ふと変な気を起こして旧ソ連へと向かい出したらそれこそ一巻の終わりです。
私の乗ったエアバスはロシアの領域に入るなりたちまちKGBレーダーにキャッチされ、マッハ2.2の速さで撃墜されるのです。
それにしてもピーチは「桃色」なのにパイロットは「赤」なんですね…
まぁそんなことはどうでもよくて、今まで色々ありがとうございました。このブログを私の遺書だと思ってください。
それからこの前ソフトクリームを奢ってやった田中さん、まだ金を返してもらってないのですが、債権は私の死とともに私の親に承継…
あ、着きました。なんでもないです。
完